第5話

「よし、到着!」


「えっと、ここは……」


「そりゃあれだよ! 高校生が遊ぶ場所と言ったらここしかないでしょ! ゲームセンター!」


「えぇ……なんか偏見強めのような……」


「そ、そんな事ないよ! 青春と言えばゲーセン! ゲーセンと言えば青春! ゲーセンに行かずんば高校生にあらずとも言われてるしね! ほら、行こ行こ!」




 島風に背中を押されながら、自動ドアの入口を潜る。


 ゲーセン……またベタなとこついてきたな……


 しかも、いちいち言葉遣いがジジババ臭いんだよなコイツ……何だ? おばあちゃんっ子か?


 けれど、ゲーセン……これは少々マズイ事になったぞ……


 そんな不安をひた隠しながら、島風の後ろについていく。


 そうして足を止めると、島風が威勢よく言った。




「よし、まずはここから攻めよう!」




 島風が指を指したその先にあったのは、レースゲームの筐体だった。


 ゲーセン……レースゲーム…………うぅ……まずい……


 内に秘めたる不良の血が、“遊び尽くせ! 敵を抹殺しろ!”と俺の脳を揺さぶった。


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