3把 狐のしっぽ
「んーふさふさだぁ…」
「ふぎゃ!」
次の日、狐はつる美に尻尾を握られ目が覚めた。
それに対し、彼女はまだ気持ちよさそうに眠っている。
尻尾のふさふさ具合が堪らないのだろうか。
「つ、つる美さん起きて!」
「んん…まだねるぅ…」
彼は身動きがとれないため、なんとか起こそうとするも一向に起きる気配がない。
狐が困った表情をしていると、規定の時間を知らせるアラームが鳴り響く。
「はっ!もう朝!?」
彼女はアラームの音に驚いて飛び起きると、キョロキョロと周りを見渡した。
一方、彼はつる美から開放されて安心した様子だ。
「つる美さんおはよう。」
「あ、おはよう!そうだ、今日から私は大学に行くけど君はどうする?」
お互いに挨拶を交わすと、彼女は大学に連れて行けないと思ったのか狐に予定を確認した。
「僕は一旦山に帰って仲間に報告してくるよ。」
「うん、分かった。気をつけてね?」
つる美は彼の言葉に頷くと、急いで朝ご飯の準備をして自分と狐の前にご飯を置き食べ始めた。
そして食事が終わり自身の身支度を済ませると、もう出掛ける準備ができたようだ。
「じゃあ行こうか!」
「うん。」
お互い目を合わせると自宅から出て、それぞれの場所へと歩き始めた。
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