異世界探偵イオリア・ラデック

@abi_core

第1話家庭崩壊

 俺はあの日、いつものように高校へ登校し、バカみたいなたわいもない話をして仲のいい親友たちと帰宅する途中だった。俺の通学路の途中には家電屋があって店の出先には特大のテレビが何台も宣伝ように置かれていた。親友たちと話しながら通学路を歩いていると、ふとテレビのステレオから聞き慣れた名前が飛び出す。


 「いま、黒い布でしょうか?…赤浜芥也容疑者が自宅から姿を現しましたか?…はい、現しました。……」


 その瞬間、親友たちはざわざわしはじめた。


 「なあ、赤浜芥也って…芥人の親父だよな?マジかよ。」


 「おいおい…、コ…レはよ、今やってんだよな?」


 俺はあまりにも急な展開で親友たちの言葉が耳から入ってこなかった。そんな落ち込んで言葉が出なかった俺を気遣って、「俺たちはいつまでも親友だぜ、芥人には関係ないからな」「明日も学校来いよ」って励ましてくれた。


 それから自宅の近くにちんまりした公園があって、自宅近くのマンションに住んでいる子連れの母親たちがよくそこで世間話をしている。近くで聞かなくても分かるくらい父親の話をしているのが分かった。自宅へ着くと編集者や報道者が大勢押し寄せてきた。


 「芥人君?ですよねー、お父さんとはなにかおはなししましたかー?」

 「容疑者の息子という立場になりましたよね?今の心境をお聞かせください。」

 「あなたの経歴も調べましたよ、芥人さんあなたも芥也容疑者の息子なんですねー。中学生の時に学校で模範解答を盗んだことがあったらしいですねー、犯罪じゃないですけど、泥棒は立派な犯罪ですよねー。」

 「父親があんななら息子もこうですかー」

 「被害者家族に息子さんから謝罪はないんですか?」

 「被害者家族にここの住所教えたんで、逃げられないですよーー。芥人君ーー。」


 俺はもみくちゃになりながらも自宅に駆け込んだ。しかし、自宅の外からは加害者側の家族に容赦のない態度で取材が続いた。部屋に入ると母が壊れていた。

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