実は飯テロなハードボイルド群像劇

このレビュー執筆時点での最新話「第五章 秋水の迷い、コーヒーと共に (昼編) その二」まで拝読しました。

夢から始まり、やがて一つの事件が起きる。
そしてまた夢と共に場面は切り替わりじっくりと淡々と語られる登場人物たちの「日常」。
一人の「人物」を起点にした繋がりが徐々に明確になっていけば、その先に待ち構えるものは――


短い文章で静かに淡々と、しかし丹念に描かれる情景は、ときに不思議な浮遊感を生み出し、ときに緊張感を、ときに幸福を、そして洗練された無駄のない動きを読み手に想像させる。
特に食べ物や飲み物の描写が良い。
空きっ腹には危険な作品だと私は感じた。