WONDERFUL WONDER WORLD (改訂版)

作者 隅田 天美

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★★★ Excellent!!!

このレビュー執筆時点での最新話「第五章 秋水の迷い、コーヒーと共に (昼編) その二」まで拝読しました。

夢から始まり、やがて一つの事件が起きる。
そしてまた夢と共に場面は切り替わりじっくりと淡々と語られる登場人物たちの「日常」。
一人の「人物」を起点にした繋がりが徐々に明確になっていけば、その先に待ち構えるものは――


短い文章で静かに淡々と、しかし丹念に描かれる情景は、ときに不思議な浮遊感を生み出し、ときに緊張感を、ときに幸福を、そして洗練された無駄のない動きを読み手に想像させる。
特に食べ物や飲み物の描写が良い。
空きっ腹には危険な作品だと私は感じた。

★★★ Excellent!!!

群像劇は読み始めからワクワクします。
このシーンはこの人物はどこでどう繋がるのか。
想像しながら読み進めますが、一筋縄ではいかない構成力に圧巻されます。

舞台は日本国内におさまらず、こんなにスケールの大きい物語に、絡み合う伏線。
期待値が高まるしかない。

文章はとてもシンプルでそれが文字と物語を浮き立たせます。
複雑な構成と場面展開がありつつも、登場人物や設定がするすると入ってくる。
これは作者の隅田天美様の筆力と言わざるをえません。

点と点を結ぶ線が少しでも見えてきたとき、物語から目が離せなくなるでしょう!