アイテール【ラスボス奥の間から始まる物語】

　小さい頃に両親を亡くし、祖父に引き取られた僕は平凡な人生を送っていた。
　特別な事と言えば友達が少ない(いない)事、そして頭の中に姉がいるくらいだ。
　18歳になった頃、それを待っていてくれたかのように優しかった祖父が亡くなった。
　そして、高校を出て就職したブラック企業に今日も足取り重く向かう途中
暴走したトラックに轢かれ命を落とした。
　他人より未練は少ないかも知れない。
　それでもまだもっといろいろな経験をしたかったなと
物足りなさを感じながらも諦めに似た感情の中、意識が途切れた。

ーこの3時間後、
　
　僕は伝説の装備を身に纏い、銀色に輝く美しい竜の前にいた。

「キレイだなぁ・・・」

　思わず口出していた。

そして次の瞬間にはブレスに焼かれていた。

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