竜がもし実在したのならば、あり得たかもしれない貴い葬送——。
- ★★★ Excellent!!!
かつて暴君として君臨し、捧げられた人を喰らっていた竜。
今は鎖に繋がれていて、貴人の葬送の際のみ、その遺骸を食うことを許されるという。
幼い太子の無邪気な問いと共に「竜葬」という不思議な儀式の秘密が語られていく様子は、歴史書の一部を紐解いているかのようです。
かくも強大な力を持つ竜がいかにして繋がれるようになったのか。
他の竜たちは一体どうしてしまったのか。
そんな、語られなかった過去や背景がとても知りたくなる、短い中にもぎゅっと深い世界観の詰まった物語でした。