このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(160文字)
かつて暴君として君臨し、捧げられた人を喰らっていた竜。 今は鎖に繋がれていて、貴人の葬送の際のみ、その遺骸を食うことを許されるという。 幼い太子の無邪気な問いと共に「竜葬」という不思議な儀式の秘密が語られていく様子は、歴史書の一部を紐解いているかのようです。 かくも強大な力を持つ竜がいかにして繋がれるようになったのか。 他の竜たちは一体どうしてしまったのか。 そんな、語られなかった過去や背景がとても知りたくなる、短い中にもぎゅっと深い世界観の詰まった物語でした。