第6話 閉店時刻
閉店の十五分前になると、キミは毎日、僕の店に現れる。
でも今日はシャッターを下ろしているところに、息を切らせて駆けてきた。
僕が残念に思う気持ちを隠して閉店の時刻を詫びると、キミは「顔が見られたので充分です」と微笑んだ。
僕のほうは恥ずかしくなって、その笑顔が見られなくなってしまった。
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