第14話 ビートル

 小さくて黄色いビートルのハンドルを巧みに操り、木々の間を走らせる。


 優しいあなたは助手席の私を起こさないようにアクセルを加減してカーブを曲がる。


 でもゴメン。


 寝たフリしてるだけの私は心の中で舌を出す。


 さっきからたまに目を開けてるの気づかなかった?


 あなたの横顔をそっと盗み見ていたのよ。

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