第15話 密室

 エレベーターの中で二人きり。心臓が爆発しそう。


 呼吸が苦しい。


 ふいに「何階ですか?」と尋ねられた。


 緊張のあまり、ボタンを押すのを忘れていたみたい。


 アナタとなら天まで昇る気持ちです。


 心の中で呟くも、そんなふうに答えられるわけもない。


 ボタンを押してくれたアナタの指が、とても綺麗だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る