第10話 またな

 じゃあ、またな。


 まるで読み終わった漫画雑誌を扱うように、卒業証書の入った筒を振り上げて言う。


 いつも通りのヘラヘラした笑い顔。


 これで最後の別れになるかもしれないのだから、もっと背中をピンと張って、ちゃんと言ってほしかった。


 あまりにいつも通りすぎて、その「また」に期待してしまうから。

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