第20話 反対行き

 喧嘩した。


 大した原因じゃないけど、互いに意地になってしまった。


 彼は何も言わずに向かいのホームから反対行きの電車に乗っていく。


 私は一人残された。


 泣きそう。


 暫くしてから、こちら側の電車もホームに到着。


 扉が開くと車内に立つ彼の姿。


 一駅先で折り返してきた彼はバツが悪そうに頭を搔いていた。

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