人なざらる者達に酔う 貴石が鏤められた幻想譚

繊細で、硝子細工に似た優しい心を持つヒロインと、精悍で闇雲に突進することもある守り人。宿命で結ばれた二人を縦軸に、仇なす者たちの策謀と恩讐が絡み付き、物語は予想も付かない弧を描く。

二律背反を覆す術はあるのか。過去のような未来と、未来のような過去。伝説や伝承は古の匂いを放ちながら、現在と将来を変え得る何かに繋がる。自ら選択した宿命の軌道を突き進んだ果てに、二人を待ち受けるものは…

妖しくも艶やかに、きめ細やかな筆遣いで綴られる和風世界の幻想譚。惑わし、惑わされ、そして整えられた世界観の中に誘い込まれる。

<五章 玲瓏ノ魔眼編までのレビュー>

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