ヨーロッパが舞台であることに意味がある物語

ミステリー好きとして、この物語に接する事になったわけですが、最初は精緻過ぎる描写に「虐殺器官」に通じるものを感じていたのですが!

豈図らんや、ミステリーとしても十分でした。
きっちりと整合性が保たれていて、伏線の配置とミスリードも巧み。
日常のミステリーとクライムミステリーが、上手く融合している感覚。

また、多少ネタバレになってしまうかも知れませんが映画「アンダーグラウンド」を想起させる昏さがあり、この辺りに本作がヨーロッパが舞台であることに意味を改めて感じるのです。

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