2023/6/25 CRカップスト6優勝は梅原大吾、関優太、葛葉、叶、k4senによる『ビーストチルドレン』
もうこのウメハラ配信記録は書かなくてもいいかと思っていたが、「さすがに!? ウメちゃん、さーーすがに???」というイベントだったので、少し記録しておく。
第1回Crazy Raccoon Cup Street Fighter 6が、6/25に開催された。
人気配信者20名が集まったこのイベント、各配信の延べ視聴者数は50万人を越えたと聞いた。ちょっとした地上波放送並み、格ゲーの歴史でも異例の視聴者が見ていた記念すべき大会になった。
そこで最後に逆転勝利をし、チームを優勝に導いたのがウメハラだった。
とりあえずウメハラ視点のアーカイブURLを貼っておく。開始は3時間辺りから。
https://www.twitch.tv/videos/1855252867
以下、ウメハラ率いるチーム『ビーストチルドレン』のメンバーの活躍などをまとめておく。
《先鋒 k4sen》
キャスター及びストリーマー。格ゲーはガチの初心者っぽい。
最初はウメハラにも「このチームの3人なら勝てそう」と人数に数えられていなかったり、「ディージェイの人」と名前で読んでもらえなかったりの不遇な扱いを受けていたのだが、スト6を始めて一週間で驚異的な伸びを見せた切り込み隊長。
ガンガン攻めていくのと、急に待って冷たいムーブになるのを使い分けていたのは、実はこの人だけだったかも知れない。
コーチとしてあてがわれたのがぷげらと大須晶という、格ゲー界屈指の独自言語使いになってしまったため、一人だけ謎の専門用語で格ゲーを攻略していた。
リニア、バッタ、置き石、オギャ、もやし、チャカ、レールガン、茶番など。
しかもこの特殊コーチ陣が前日~当日に捕まらなかったため、最終的には格ゲー界の知識の泉であるハメコが全て仕上げた結果、「虫にならずに人になってください。いや神になってください」というむちゃくちゃなコーチングの末2勝をもぎ取った。振り返ってもやっぱりこの人のコーチ枠だけ全体的におかしいな。
《次鋒 叶》
にじさんじ所属Vtuber。2年前にスト5で行われたVTuber最強格闘王決定戦での優勝者。
優しい語り口。連絡周りやルール確認周りもこなしてくれる、チームに一人いると助かるタイプ。特にウメハラがこういうの出来ないので助かる。
折よくモダンキャミィの紹介攻略記事を書いていた古参ゲーマー、冷血非道がコメントで色々と教えてくれたことからそのままコーチに。冷血非道はブログで初心者用メモをまとめていたこともあり、座学が得意そうなこの手のタイプにはちょうどハマったようにも見えた。
吸収力がやたら高く、どんどん強くなるので冷血も驚き、プレイ間のアドバイスもそのまま取り入れて本番中に強くなるのにはウメハラもびっくり。
「先鋒のk4senさんが勝ってくれてるので僕が負けてもまだなんとかなる……」とプレッシャーにやられながらもなんとか戦っていたところ、対ふ~どチームの対戦ではk4senが先鋒で負け。「今までもらっていた安心感をお返しします」と逆に奮起、k4senに変わって勝利をもぎ取ってきたシーンはアツかった。
《中堅 葛葉》
にじさんじ所属Vtuber。叶に同じくVTuber最強格闘王決定戦に出場し、準優勝している。
やらかし系ムードメーカーのノリでウメハラにぶつかってくるも、プレイスタイルは意外に堅実。「うちのチームは中堅戦が一番勝てる」とウメハラに太鼓判を押されるまでに至った。「情弱を狩るのがうまい」「強すぎて憎たらしい」ともウメハラに褒められていた。褒められてるかこれ?
ウメハラに勝ち勘定の試合として数えられているのは相当な重荷だったはずだが、期待に応えて勝ってくる。おぼ本田には唯一負けたものの、決勝戦でリベンジを果たしたのもすごかった。
コーチは葛葉いわく「チャン・ボン老師」のボンちゃん。ボンちゃんは教え方がうまいだけでなく、選手のメンタルコントロールにも長けているように思え、負けるたびにチワワのように声が弱々しくなる葛葉に「行けると思います! やっちゃえ!」と励ましていたのが良かった。
本当はもう一人ルークのコーチとして若手プロのNobleがいたはずなのだが、最終的には葛葉の得意技「インフィニティノーブル」に名前を残すだけになっていた。Nobleありがとう、君の技だ。
《副将 関優太》
オーバーウォッチの元プロゲーマーにしてストリーマー。
無意味に思えたチーム内の序列決め対戦、ビーストランキングにおいて「葛葉より副将に向いてるんじゃないか……?」と白羽の矢が立ち、中堅から副将に繰り上がった経緯を持つ。
マノンというキャラの特性にガッチリとあった、とにかく荒らしに行って投げまくって格上でもなんでも食ってやるというプレイスタイルを磨いたため、「きったねぇマノン見せてやりますよ!」という安心と恐怖にまみれたセリフが飛び出していた。
そしてこのプレイスタイルで、プロ枠以外では最強候補と言われていたSasatikkを倒し、大会唯一のプロへの下剋上も果たした。メダル4枚マノンに投げられて昇天したどぐら、CR所属おめでとうコマ投げにてKO。どぐらきれいだよ~。
勝ったときの喜びもさることながら、決勝戦でSasatikkとの再戦に負けたときの悔しがり方が印象に残った。全力で悔しがっていた。
ウメハラも「関さんはいつ見てもチーム練習discordにいて毎日ずっと練習してるんだよ。ずっとやってるよこの人」と評価していただけに、あの悔しさの裏にある積み重ねが見えて、ぐっと来た。
コーチはガチくん。レッドブルアスリートにしてカプコンカップ覇者にして昨年のストリートファイターリーグで世界一になっている最強の一角だが、投げキャラは未開拓のため、関マノンのほうが択の太さや嗅覚は優れていたかも知れない。きれいなコーチからきたないマノンが巣立って行った。
《大将 ウメハラ》
説明不要のザ・ビースト。という言葉が今回もまた使える形になってしまった。
練習試合ではかずのこどぐらに一本も取れず、本番までの数日は嫌になるほどキャミィ戦とディージェイ戦に費やしてきた。連日プロとの10先を5回も6回もやって、ボロボロに負けていたのが翌日には五分、更には勝ち越しと強くなっていく。
練習試合では唯一勝てて、キャラ対策的にも一番不安がなさそうに思えたふ~どのダルシムが本番で立ちふさがったのは、格ゲープロをよく知っている視聴者目線だと「さすがふ~どだわ……」という感じだった。
しかし最後の大逆転勝利があったのは、おそらくこれを読んでいる皆さんご存知の通り。決勝の大将戦3本先取をふ~どに2本取られ、後が無い状況で1ラウンド取られ、その上SA3を食らってバーンアウトして体力はウメハラ1割ふ~ど満タンという「さすがに終わっただろ……?」の状況。
あの有名なウメハラの背水の逆転劇では、ブロッキングで全ての攻撃を捌いて最大コンボを入れて勝ったわけだが、スト6における「バーンアウトしている」というのはブロッキングもコンボ用のゲージも両方なくなっている状況で、逆転する手段がない。相手はダルシムだし。遠くからつつかれてるだけでもう終わり。
なのに勝つウメハラ。そして0-2をまくって3-2でチーム優勝。
https://twitter.com/RedBullGamingJP/status/1672968282041880577
試合を見届けながら、「こっからまだあるからウメハラさん」と言っていたどぐら自身も「ずるい」と笑うほどに逆転勝利した。「ウメハラさんの白ケンでこの大舞台で逆転勝利。ずるいやろww」と。
見てて同じ感想だった。出来すぎててずるい。ずるいぞウメちゃん!!
なお、そんなどぐらとウメハラが戦った試合もかなりアツく、立ち回り中にラッシュで突っ込んできたどぐらにSAをかまして勝つという見栄えのいい勝ち方だった。
これに関してウメハラは、「どぐらがラッシュの後に様子見するプレーを今回してこなかったから、どっかでぶっ込んでやろうと思ってた」と語っていて、そりゃそうなんだろうけど試合の最終盤でガードされたら終わるぶっぱなしをチームメイトの命を背負ってすら出せる、そういうところが強みなんだろうな。そうじゃないと、ああいう逆転劇は起こせない。改めて見せつけられた。
https://twitter.com/HiFightTH/status/1672944329902686210
追い詰められてから打つ手が強い。それで視聴者が歓喜してしまう。
何十万人が見ているイベントで、ウメハラが「ウメハラの勝ち方」を見せていた。
これはあの大足差し返しで優勝したときにも、リバサ前歩き投げで優勝したときにも書いたことだが、ウメハラが勝ったから嬉しいのではなく、「ウメハラの勝ち方」をしたのがファンにはとても嬉しかった。
今回のCRカップ、推しの活躍を願って見ていた人が、たくさんいたんじゃないだろうか。だからこれだけの視聴者数になったのだと思う。
そんな推しの配信者が、口々に名前を挙げる推しの一人がウメハラで、「推しの推しってどんな人なんだ」と気になっていた人もいたかもしれない。
推しの推しはレジェンドで、もう40歳を過ぎていて、練習でボロ負けして、本番でも負けそうになって、それでも勝つ。なんでこの人が25年も最前線で戦ってファンを増やしているのかが、一発でわかるイベントになったかも知れない。
CRカップスト6優勝は梅原大吾、関優太、葛葉、叶、k4senによる『ビーストチルドレン』。
みんながんばった。全部の勝ちと負けが繋げたこの優勝。おめでとうございます。
●余談1
戦い慣れたプロ同士の繋がりではなく、自分を慕ってくれる人気配信者が時間を捻出して練習してここまで来ているということ。その勝敗が大将の自分に委ねられているということ。いつもと違う緊張感がウメハラを襲っていたようだ。
いつになくプレッシャーに負けてミスもあり、「勝ちたい」と漏らし、勝つためには何でもする姿勢で、自分にアドバイスしてくれるコーチを本番中に召喚し始めた。
かずのこに負ければ「マゴさん!!」と全力でマゴに呼びかけて助言をもらい、どぐらに負ければササモを呼んで冷静に軌道修正。絶対に負けられない決勝戦では鶏めしを呼んで、「これからふ~どとの大事な試合があるんで、さっき俺がふ~どに負けた試合を見て可能な限りアドバイスください。試合の合間にもお願いします」と完全迎撃体制。
初見の人は「プロっぽいな」と感じたかも知れないが、普段の大会でこんなことやってるのを見たことがない。このチームを勝たせたい一心で、ウメハラが動いた。
ちなみにこの、最後に呼び出されて的確にダルシム戦を教えてくれた、鶏めし。例の切り抜き動画で拡散されまくった、ウメハラ葛葉の放送事故会話のバックで戦っていた、チーム初顔合わせにダブルブッキングされたダルシム使いが、鶏めし。
鶏めし裏MVPまである。何かいっぱいお礼をしてあげてほしい。
●余談2
CRカップ翌日、昨日がんばりすぎて風邪を引いてしまったウメハラ。
後日談及び次の新企画についての配信を短時間して、その中でちょっといいことを言っていた。
俺がそのことを書いたツイートが既に独り歩きしつつある。
https://twitter.com/isikusu/status/1673305835269922816
要は、「今まで警戒していた別界隈のストリーマーがみんないい人でよかった」という話と、「その配信者と生活をともにするレベルでずっと見てる人が大勢いるんだから、それはいい人じゃないと見る方もついてこないよな」という気づきの話。
「なのでこれからは、有名配信者って聞いたら『いい人なんだな』って思うことにする」といったことを語っていた。
面白い物の見方だし、ウメハラ配信を長時間見ている我々側からすると、「俺らもアンタがなんだかんだいい人だからいつも見てるんだわ」という気持ちにもなる。
配信が身近になりすぎた結果、配信者の人間性が重視されるようになるというのはあるかもしれない。この企画に関わった配信者たち、みんないい人だもんな。
立川だけ違うか(かるび談)。
「かるびどうして……」(立川談)
一私人日記 一石楠耳 @isikusu
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