カンディアの風に吹かれて

人類が銀河系を越えて外宇宙への植民を進める時代。
海王星に酷似した環境を持つ惑星カンディアの衛星の一つであり、土星の衛星エンケラドゥスに酷似した環境を持つ第三衛星イラクリオン。
そこに新任の総督として赴任してきたのは、本国の士官学校を飛び級で卒業したばかりの可憐な少女、レンカ・エリアーシュだった。
彼女の最初の任務は周辺宙域を荒らす海賊の拿捕作戦。
海賊の規模からしても簡単な任務だったはずが、海賊の卑劣な罠に掛かけられたレンカは、専用のスラスト・ドレスごとカンディアの重力圏に捕らえられてしまう。
その時、生物など存在しない筈のカンディアの大気の底から飛翔する謎の影がレンカに近づいて行く。