生きるのにも死ぬのにも、パワーがいる

自殺するために、見定めたビルの屋上に上がった「私」。しかし、すでにそこには先客がいた。
生と死が交差する一瞬間を色濃く描いた現代ドラマ短編。雪が降るほどの寒さと、主人公の諦観を含めた淡々とした語りが、相乗効果を生んでいます。
死と向き合うことは、翻って生を考えることなのかもしれません。他人事だと思えないその温度が、少しずつでも温められて欲しい、そう感じました。

その他のおすすめレビュー

夢月七海さんの他のおすすめレビュー663