生きてるだけで、ほぼ奇跡(*ここまでの死亡回数ウン十回)
- ★★★ Excellent!!!
本作の主人公、侯爵家令嬢シャーロット・グレイス・ヨークの身の回りには、死亡フラグがあふれかえっています。いやあ、もう生きてるだけで、ほぼ奇跡といえます。
実際、これまで何度も、さんざんな死に方を迎えては、なぜか16歳の誕生日に戻り、リスタートするという謎の時間ループにとらわれている。この地獄のような罰ゲーム、「永遠にループし改心するまで続く時間獄の檻」、別名「箱庭の刑」をシャーロットに課したのは……?
と書くと、なにやらダークでシリアスな悲劇っぽいお話のようにも聞こえますが、本作は、シャーロットの必死の生き残りをかけたサバイバル・エンターテイメント・ファンタジーなのでした!
とにかく、次から次へと登場するキャラクターたちのアクの強さは、カクヨム広しと言えども、なかなかないレベル(しいて挙げるなら、私の崇敬する小濱宗治師匠を思わせるレベル)。
シャーロットが(このレビュー執筆時の最新話、第二章 Ep. 6 時点で)多少なりとも頼れるのは、悪魔(ときどきヘビになる)とカエル(笑)。身内や親友ですら(というか身内や親友のほうが?)信頼できない状況のなか、一歩判断をミスると、即座に死が待ちかまえている。
そして、まだ彼女が知らない地雷は、これからもいたるところに埋まっていそうな予感です。はたして、シャーロットが、心安らかに天寿をまっとうできる世界線はあるのでしょうか!?