しょせんは誰かの血液袋のくせに

物語と世界観の中心に存在する血獣なる生物の設定郡が愉快でしたね──SFならではの飛躍した存在でありながらも、生活に紐づいたそれであるから解釈としてあれやこれやと代替可能で呑み込みやすいのが気が利いている。また救世主の如く登場する『彼女』の主張は到来し吹き荒れるばかりで、ただ結果と選択を残して去っていくという何者かに縛られない役回りも実に好ましく。