市井の家族から見えてくる昭和史

昭和のある一家族の姿を回想したエッセイですが、そのまま貴重な社会史になっています。
個人の責任ではなく地域が育てる子どもとか、お母さんの手の平の上でいばっているお父さんとか、大雑把でちょっといい加減なモラルとか。今では怒られそうなことがいっぱいですが、その分、細かいことに縛られない生き生きとした人間らしい暮らしを感じます。
ひとつひとつのエピソードにぬくもりがあって、昭和を知る人はもちろん、知らない人にもその光景が鮮明に浮かぶことでしょう。
筆者が愛情をもって振り返る、エネルギーとおおらかさに満ちた昭和の日々を、ぜひゆっくり味わってください。

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