導かれて出会ったのだとしても、それでもふたりは自分たちの意思で恋をする

あやかしの国「阿の国」。その北の領を治める鬼の一族の息子である碧霧と、ただ偶然に出会ったのは鬼の女の子である紫月。


出会った当初は自身の正体を隠すためにちいさな嘘を重ねたり、互いを探り合ったりと恋の駆け引きが続きます。


しかし阿の国で起こった反乱、そして今も残る悪習など、二人の意思とは別に周囲は慌ただしくなるばかり。そんな中でも時には笑い合ったり、時にはお忍びデートをしたり、時には喧嘩をしたりと、二人の関係もすこしずつ恋へと近付いていきます。


天真爛漫な姫さまの紫月、たおやかな外見とは裏腹に芯の強い彼女はいつでも一生懸命、そして彼女のファッションも素敵です。碧霧もまた父親との確執や自身の置かれた立場に対して、まっすぐに向き合っています。時折年頃の男のらしいところも見せるのですが、それがまたなんとも微笑ましいです。
どちらも応援したくなりますし、二人の恋の行方にも目が離せません!




前作の『藤の花恋』に続いて楽しませて頂いてます。
なおこちらの作品はシリーズとして続いていますが、それぞれ独立したお話ですのでどのお話から読んでも楽しめます。前作から読んでもよし、今作から読んでみてもよし、どちらも読むと二倍楽しめることは間違いなしです!

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