概要
売店のジュースの謎。
志島皐月は杠葉高校文芸部に所属する一年生。部誌に掲載する短篇を書きあぐねた彼女は、ぐうたらな部長・倉嶌琉夏に自身の目撃した不思議な出来事について語る。Xはなぜ、近くの自販機でなくあえて離れた売店でジュースを買ったのか? 女子高生ふたりが日常の些細な謎に挑む。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ちょっと不思議なものを追いかけるドキュメントスタイル・ミステリー!
杠葉高校文芸部に所属する1年生、志島皐月は書き出せない部誌の原稿を前に唸っていた。そこへ現れた部長との雑談の中、皐月はふと思い出す。先週の土曜日に見た、「ちょっと不思議なもの」のことを。
こうして皐月さんの記憶を辿っていくわけですが、辿りかたがそのままインタビュー番組の手法をなぞっているのがおもしろポイントです。
部長さんというインタビュアーの補足や要約、促しを受けた皐月さんの行動や心情が丁寧に語られて、現場検証で謎が少しずつ解かれていく。小説でありながらドキュメントであるという構成は物語を深掘りし、さらにはごく自然に、皐月さんという語り部の人となりや部長さんとの関係性も浮き彫りに…続きを読む