「灰」に覆われた世界で、彼女たちの目指すものは……!?

四百年前に大きな戦争があり、一度全てが滅びた世界。
荒れ果てた大地を捨て、巨大なシェルターに引きこもった人類でしたが、今は再び地上で復興を果たした「東京」で平和に暮らしています。

主人公、一葉もその一人でした。
小学校の先生からみんなに、自分が「壁の内側から来たこと」を暴露されるまでは。

退廃的な雰囲気と登場人物たちの綿密な心理描写、隠された歴史に「東京」に残る様々な謎。
作り込みが丁寧で世界観にどっぷり浸かることができます。

主人公一葉や彼女が東京の外で出会った青年終希。彼女たちの胸に抱えた想いや過去は、切ないやら苦しいやら腹立たしいやら。
特に外の世界で生きてきた終希さんの過去は……必読です!
 
また、終希と一葉の利害が一致しているようで異なる「目的」が、今後の物語にどう作用していくのか楽しみです。
彼女たちは袂を別つのか、それとも分かり合えるのか。
現在四章を拝読中ですが、色々な意味で気になる登場人物も増えて益々目が離せません!

ポストアポカリプスの雰囲気を存分に味わいたい方、重厚でダークな世界観をお求めの方におすすめです。

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