概要
彼との思い出が胸を締め付ける〜喪失と再生の物語〜
愛しあった彼と突然のお別れをしてしまった彼女―小山は毎日のように彼の夢をみては泣いていた。胸の奥が空っぽでずっと寂しさを抱えている。彼との思い出が彼女の胸を締め付けていく。苦しいと思った彼女は彼と過ごした部屋を抜け出して、ひたすら遠くへと逃げる。その先で猫を探す少女とその母親に出逢う。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!喪失の闇に再生の星を見つける
まずこの小説に触れた方は3-1まで読むことを強く薦めます。
人物の五感が丁寧に扱われており、味覚、嗅覚、視覚、触覚、聴覚で人物の心情の揺れが描かれている点が興味深かったです。
その分、会話は最小限にしてセリフのインパクトが残るよう工夫をされているのかなと思いました。(違ったらごめんなさい)
後半にかけて前半謎に包まれていた主人公の境遇が一気に明かされるため、序盤は主人公の情緒の揺れがやや不可解な部分もありましたが後半で回収され、「喪失から主人公が得たもの」「それでも尚欠けたままであるもの」の両方を抱えて生きていくというところが描かれており読後感がスッキリしています。
自分の小説を書くの…続きを読む