プロ意識

 何ヵ月か前、たしかイギリスだったか、強盗の入ったスーパーでとある警備員が大して働かなかったと一部でみなされ非難されたことがある。そのとき当人はこう言った。『そこまでの給料はもらってない』。細部は御寛恕頂きたい。

 人に危険を負わせるなら相応の給料を払う、たいした給料でないならそれなりの仕事ですませる。本来、それが当たり前だ。

 本作は、シビアなプロ意識を持ちつつどこか間抜けでなおかつ憎めない二枚目半な(失礼)作者像が浮かんでくる。親しみやすい語り口のなかにも職場への愛着や敬意が感じられ、とても楽しく読めた。

 必読本作。

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