海原雄山のモデルで有名な魯山人先生の鮎の食い方の逸話が出て来ます魯山人先生が少年の頃、鮎を売っている店に行ったら、頭と骨しか売っておらず、美味しいところはみんな、富裕層が先に買って行ってしまったとかそれをカップ麺でやるというシュールさが気に入りました。しかし、カップ麺の具材なんて富裕層買ってくれるかなあ?メルカリで売るのか?面白くておすすめです
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いやあ、泣いてしまい申した。おすすめです!!主人公は、貧しい学生時代を過ごしてきた会社員。関わりのある建設会社に送るためのお歳暮選びに、デパートまでやってきた。そこで、『緑のたぬき』が目に止まり、片親でバイトをしながら通っていた大学の文学部時代のことを思い出すのだが……。いやあ、過去にお世話になった方に恩を返すというのも、なかなか難しくてできるもんじゃないのですが、与えてもらった優しさを誰かに返す。というのがどんなに尊いことなのかを教えていただきました。強くお勧めいたします! 是非! ご一読を。
苦しい時を支えてくれたものというのは、その苦しみを乗り越えてもなお自分にとって特別であり続ける。たとえ支えてくれたものがどんなものであっても。そういったものを、誰しもひとつは持っているのではないでしょうか。このお話は、そうした支えてくれたものへの思いや、その後の自分にとってどんな存在であり続けたかを非常に身近な題材を使って描いています。自分にとっての特別なものとはなんだろう?そうした思いを抱きながら読むと、より味わい深くなる作品です。
良くある人情噺なんだけど、珍しいのは二つ商品名のうち、片方にターゲットが絞られていること。どっちなのかは読むまでのお楽しみ。ただ、実際の地名を出す必要があるのか気になった。
苦学生だった主人公は、緑のたぬきを見て、学生時代に通ったちょっと変わったお蕎麦屋さんのことを思い出します。人が寄り添いあって生きていく、そんな様子を巧みに表現した素敵な短編でした。不勉強なもので私は知らなかったのですが、北大路魯山人のあるエピソードを知っている方は、もっと楽しめるかもしれません。
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