長所も短所も、実は自分では見えていない

 言葉の行き違いから起こった、よくあると感じさせられる物語です。

 主人公が短所だと思っていた事は、実は長所でもあった、長所と短所は表裏一体であると感じさせられる展開です。

 何でも美味しく食べられる、美味しそうに食べられる事は、幸せに一番、近い特長ですが、体質や体型によればコンプレックスを伴う事も確かにあると思います。特にショックを受けてしまう出来事に遭遇してしまうと、コンプレックスを抱いている点に原因を求めてしまい、そうなれば自分の長所も同時に潰してしまう事も、同様に。

 簡単な行き違いなのに、当事者は気付けないし、説明されても「あ、そうだったんだ」と簡単に新たな切っ掛けにしてしまう事も難しい…そういうもどかしさを持つ年代が描かれています。

 甘酸っぱいのだろうか、苦いのだろうか…読む人がそれぞれ抱く想いはあるでしょうが、共通して面白いという事だけは抱けるはずです。