サンプルシナリオ『蛮族を駆逐せよ』 その②

第1話 蛮族退治はまだ続く。

GM それでは前回に引き続き基本ルールブックⅠのサンプルシナリオを遊んでいこうと思います。

まずは前回の冒険を経ての成長報告をお願いします。


人間の戦士ケイ: オレは筋力が1点伸びて18点になった。


GM: おっ、それじゃあ筋力がブレイクしたね。


ブレイク(俗語)

ソードワールド2.5では能力値が6の倍数に上がった時に判定値にのるボーナスが上昇する。

そのため冒険を通した能力成長で6の倍数になることを能力値ブレイクとかボーナスブレイクとか呼ぶ人もいる。


人間の戦士ケイ:経験点を消費したレベルアップは斥候スカウト技能を伸ばした。戦闘で直接的に役立つわけではないけど、有利な状況を整えたりするのに便利だったからな。


GM: そうだね。斥候スカウトはソードワールド2.5の技能の中でも特に重要なもののひとつだよ。しっかり上げてくれて助かるよ。


エルフの女騎士イルセリエ: わたくしは知力を成長させました。

そして技能は学者セージをレベル2にしましたの。近接戦闘を強くする軽戦士フェンサー技能と迷ったのですけれど、前回の戦いで蛮族ボルグ相手に一切ダメージが通らなかったことを思い出しましたの。戦士としてのキャラクターづけに固執するよりも非力な女騎士ポジションを確立していきたいですわね。もちろんその分、溢れる知性でパーティに貢献して見せますわ!


ドワーフの神官戦士オスガル:ワシはまず生命力が成長してブレイク。抵抗力とHPが上がったぞ。技能成長は戦士ファイター技能をレベルアップさせた。


タビットの魔導師ヴォーパル:オイラは知力を伸ばしたぜ。技能成長は操霊魔法コンジャラーを伸ばすか迷ったんだけど、高い知力を生かすために新たに学者セージ技能を1レベル取得してみた。


ルーンフォークの銃手レベッカ:私は器用度が成長しました。レベルアップは命中力を上げるために射手シューターを伸ばしておきました。


GM: 了解です。みんなパーティを組む中で自分の役割を把握してる感じだね。それじゃあ今回の冒険を始めよう!

まず、村長が君たちに薬草などの物資を支給してくれる。500ガメルまでの薬品類を提供してもらえるけど何か希望はある?


人間の戦士ケイ: それなら魔香草ってやつを5つもらいたい。このパーティは俺以外全員が魔法を使えるだろ?

オレの野伏レンジャー技能で使えるMP回復用の薬草があると助かると思うんだ。


皆も異論はなかったようなので、ケイに魔香草が5つ渡されます。


GM: では村長が娘のティナちゃんに1週間前に摘みに行った魔香草を小屋から取ってくるように頼む。ティナちゃんは9歳の人間の女の子だ。


村長の娘ティナ: (取ってきた薬草を渡しながら) 「あの、実は行方不明になってるアルのことなんですが…」と言って君たちに情報提供してくれる。


・1週間ほど前にアルくんとティナちゃんは森で薬草摘みをしていた。

・その時、森の奥をオーロラが照らすのを見た。

・それを見たアルは「城跡の方だ…」と言うと彼女をその場に残して様子を伺いに行き、そこで蛮族を見た。

(この事は大人に話したが信じてもらえなかった)

・3日前にアルは「僕が行方不明になれば流石に冒険者を雇うだろう」と言い残し、ひとりで城跡の方へ向かっていった。


村長の娘ティナ:「お願い、冒険者さん達! アル兄ちゃんを助けて!」


GM:この話を聞いた君たちは目標値8の見識判定のサイコロを振って欲しい。


判定の結果、ドワーフのオスガル以外は皆、空をよぎるオーロラは奈落の魔域シャロウ・アビスの前兆だと知っていた。


ドワーフの神官オスガル: 「奈落の魔域シャロウ・アビスじゃと!?」


本来、見識判定に失敗したオスガルは奈落の魔域シャロウ・アビスについて知らない方がいいのだが、

奈落の魔神と戦う盾神イーヴの神官という出自的に知らないのも不自然なので、オーロラが魔域の前兆であると言うことだけを知らないものとして扱うことにしました。


奈落アビスとはソードワールド2.5の舞台となるアルフレイム大陸にある大穴で魔神の棲む異界へと繋がっている。オスガルが侵攻する盾神イーヴは、この奈落アビスから侵攻してくる魔神から人々を守る宗派なのです。


そして、この奈落アビスは単にその方角だけを警戒していれば良いと言うものではありません。

アルフレイム大陸全土で、突然 真っ黒な球体が現れる特異現象が起こっていて、この球体の内部は異界へと繋がっています。


エルフの女騎士イルセリエ:話を聞く限りでは、残りの魔物は城跡の方にある奈落の魔域シャロウ・アビスを拠点にしようとしていて、アル少年も恐らくそこにいるのでしょうね。


ルーンフォークの銃手レベッカ:「村長さん、城跡というのは…」


村長:「森の中に昔、城があったと狩人のゼナンが言っておった。彼に聞けばわかるじゃろう」


そう言って狩人のゼナンに取り次いでくれます。


狩人ゼナン「城跡と言ってももう土台の部分だけしか残ってない。建物部分は崩れて無くなってる場所だ。君たちが蛮族を見つけた廃墟よりさらに北の方へ進めば城跡に辿り着ける。少し待ってくれ地図を書いて渡そう」


冒険者たちはアルくんを助けるため奈落の魔域シャロウ・アビスへ、向かうことを決めます。

異界の飛び地、さらには蛮族の存在。

一筋縄ではいかなそうです。


続く…

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