蛮族の拠点を強襲する。

GM: ゴブリン達の足跡を頼りに君たちは森の奥へと歩を進める。

すると、話に聞いていた通り廃墟が見えてきた。かつて滅んだ魔動機文明時代の倉庫だろうか?

周囲は塀で囲まれているが、肝心の門は壊れて開きっぱなしになっている。

蛮族達が村を襲った後の勝利の宴を開いているのか、建物の中からは少し騒がしい声が聞こえてくるよ。


人間の戦士ファイターケイ: どうやら敵は油断しているみたいだ。このまま突撃して一気に叩こう!


ドワーフの神官戦士プリーストオスガル:ちょっと待った。向こうは油断しているんだから今すぐに攻め込む必要はないぞ。まずは支援魔法を仲間内でかけてから強襲するべきだ。


エルフの神官剣士プリーストイルセリエ: なるほど。オスガルさんは賢いですね。では、わたくしが皆さんに【フィールド・プロテクション】で防御の祝福を授けます。


タビットの魔法使いヴォーパル: よし。それじゃあ今度こそ準備は万端だな。宴会なんかして油断しきってる所に突撃するぜ!


GM: じゃあ正面から突っ込んでいくんだね。

君たちが突撃すると中にはゴブリンの群れ以外にもリーダー格と思われる大柄で毛むくじゃらの蛮族と小さな羽の生えた蛮族がいるのが見える。

戦闘開始だ!


まずは前回の戦闘同様にドワーフのオスガルが女騎士イルセリエをかばいます。

魔物知識判定の結果、蛮族はそれぞれ毛むくじゃらの方がボルグ、羽の生えた方がグレムリンだとイルセリエが見抜きます。


ボルグは冒険者たちよりもレベルの高いパワータイプのボスで、サイコロの出目が高ければ与えるダメージが飛躍的に伸びる「痛恨撃」という特殊能力を持っています。

グレムリンはタビットのヴォーパル同様にレベル2までの攻撃魔法を使ってくる小賢しい蛮族です。


人間の戦士ケイが先制判定に成功したことでプレイヤー側が先攻で戦闘が始まります。


しばしの作戦会議を経て、最初に魔法使いヴォーパルが全体攻撃をしかけたあと、戦士組が乗り込んでリーダーであるボルグを一斉に集中攻撃することに。


タビットの魔法使いヴォーパル:「食らえ、最強魔法【スパーク】!」

(ころころ…)あっ、出目低すぎる…


なんとボルグやグレムリンどころかゴブリンたちにまで精神抵抗判定を成功されてしまいます。

スパークは抵抗されると与えるダメージが半減してしまいます。


流れを取り戻そうと攻撃をしかける戦士たち。


オスガルとケイの攻撃は通りますが…


エルフの神官剣士プリーストイルセリエ:私の攻撃はダメージ…たったの3点。


GM: 残念だけどボルグの毛深い皮膚は3点の防護点があるから0ダメージだね。


ルーンフォークの銃手レベッカ: お嬢様の分は私がダメージを稼ぎます。


レベッカの扱う魔動機銃トラドールは防護点を貫通してダメージを与えることができる魔法ダメージを発生させる武器だ。


ルーンフォークの銃手レベッカ:(ころころ…)10点ダメージ!


GM: ではその弾丸を受けてボルグは苦しそうにうめくよ。


返しの蛮族の手番、ボルグの痛恨撃とグレムリンのエネルギー・ボルトがオスガルに集中し、あわや気絶の危機に追い込みます。


エルフの神官剣士プリーストイルセリエ:ようやくわたくしの活躍機会ですわ。始祖神ライフォスに祈りを捧げ【キュア・ウーンズ】でオスガルさんのHPを回復しますわ。

…10点回復!


痛恨撃でオスガルの受けたダメージをほぼ回復し一気に立て直します。


人間の戦士ファイターケイ:ボルグに【全力攻撃】で両手持ちのバスタードソードを叩きつけるように斬る。…よしっ、16点ダメージ!


GM:おっと…そのダメージだと。防護点の分だけ減らしても駄目ですね。その一太刀をうけてボルグの首が飛びます。


リーダーを失った蛮族の群れは一気に瓦解し、あとはイルセリエが適度にグレムリンの攻撃魔法を受けた仲間を即座に回復しながら、順番にゴブリンを駆逐していきます。


GM:うん。これでゴブリンは全滅した。前線が突破されたので後方にいるグレムリンを攻撃できるようになったよ。


ドワーフの神官戦士プリーストオスガル:じゃあワシは後方のグレムリンを攻撃しにいくぞい。


GM:あっ! 待って。後方のグレムリンに接近して攻撃するには敏捷力10以上が必要になるんだけど…たしかオスガルはドワーフだから…


ドワーフの神官戦士プリーストオスガル:しまった! ワシの敏捷度は8しかないぞ。しかたがないので全力移動でグレムリンに近づく。


全力移動を行った手番には攻撃を行うことができないのでオスガルは攻撃のチャンスを失ってしまいます。


GM:ではグレムリンが最後に必死の【エネルギー・ボルト】をオスガルに…あっ。MPがもうないや。


MPの切れた魔法使い系の妖魔ほど弱いものはいないでしょう。あっけなく倒されて戦闘終了。これにて冒険者たちは廃墟に集まっていたすべての蛮族の討伐に成功しました。


しかし、どうやらこれで話は終わらないようで…

《次回に続く》






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る