第10話
46
3人はすぐに社食に入っていった。今日はチキンライスと小皿の回鍋肉である。
タエ[ちゃんと豚じゃなくチキンのチキンライスだわね。やっぱりここのチーフは市役所や福丸デパートの社食よりもランクは上ね。同じ社食でもランクは全く上だわ。][豪華ホテルのチーフは本物ですからね。普通のおばちゃんが作っている市役所の物とは全く違うな。]
[回鍋肉もおいしいジョー。この味はおばちゃんにはだせないじょー。]食べ終わってロビーを歩いていると、先日取材を受けたBBCCとガーディアンアンの記者に会った。BBCC[あら、新門さんのところのタエちゃんでしたっけ、この前は取材に協力をいただいてありがとう。ここの見回りですか。]
[そういうわけではなくて、市の仕事を手伝っていますので王様がここの社食とそこのおまんじゅうとジュースを利用していいことになりました。]ガァーデイアンアン[費用はこちらで持ちますので、あそこで話を聞かせていただけますか。]
47
タエ[おじさんこんにちは取材ですので費用は記者さん持ちです。]親父[あいよ~。わかったよ~。]ガーディアンアン[マレーシアの放送局が30分で10万円を払って猫直接占いを受けたそうですね。]
[はい。猫用のパソコンを王様が持ってきてくれましたので英語を聞き取って英語で印字しましたが、人気の女性リポーターの彼氏の名前を当てて結婚をする気がないから別れなさいと言ったら、リポーターさんはグチャンとなりましたが、すぐにこのまま生活を崩さずにいるならば身近なところで新しい彼氏が見つかるだろう、と打ち込んだら納得していました。プロデューサーも良い映像が撮れたと言って上機嫌で帰って行きましたよ。]
BBCC[はっはっはっ。それは面白い話ですね。ところで8日の法要で、近隣から1,600匹の飼い猫や野良猫が集まってくると聞いていますが本当ですか。][本当ですよ。既に市長が手を回して猫が安全に横断歩道を渡れるように警察に指示していると思いますし、安全に通れるようにボランティアも募集をしているはずです。]
48
タエ[あとはネコ寺の和尚さんが言うには牛乳に煮干し5匹を入れて食パンの耳を入れたのを2千食作って隣の空き地でふるまうということですが、野良猫もたくさん来るだろうからということです。私は無理して来る猫もいるかもしれないので、救護班も設置するように言いますけれどね。]ガーディアンアン[それはいいことですよ。栄養の悪い老猫や幼い猫もいると思いますからね。]
親父[はい。お待ちどうさま酒まんにオレンジジュースです。][今の時期は焼き芋もやっているジョー。美味しいんだジョー。]タエ[よっちゃん。みっともないからよしなさい。]
BBCC[いいですよ。人数分をください。]親父[はい。今すぐお持ちいたします。]タエ[焼き芋までいただいたのでもう一つ話をしましょうか。観世音寺の老師から聞いた話なのですが、ここのお寺を建てたり補修で出入りしている業者の職人と奥さんが3歳の息子を残して交通事故で死んじゃっいました。
49
祖父母が健在で面倒を見ていて、生活はお寺や勤めていた大工の頭領が何とかしていたのですが、お寺から近い場所なのですが周りは田んぼと畑で遊ぶ相手がいません。その噂を聞き付けたここの猫達がかわるがわる遊びに行っていたということです。死んだ親父さんはネコ寺の補修や庫裡の建築でよく行っていて、可愛がっていたそうなんでそのお礼のようです。その息子は一人前になって子供もいますが、今も猫達の恩を忘れずに月に2回鮮魚をふるまっているそうです。]
ガーディアンアン[それはとてもいい話ですね。充分に記事になる内容です。ありがとうございました。私達は行き上げますがどうぞゆっくりして行ってください。サインをしますのでフロントに回してください。]
[へい。承知をしました。][ボクはジュースと酒まん追加でほしいな。][今のはおまけで、これからが本ちゃんです。][それでは全員にジュースと酒まん一皿をお願いします。]親父[サスケさんから連絡が来ているから支払いは心配ないよ~。]
50
王宮の正門前のバードサンクチュアリーにいつもの日課の鳥の糞掃除が終わって、報酬のジュースとお菓子が運ばれてくるのを大型水槽の金魚を見ながら待っている。そこに王様の妻の志野の父親と愛ネコのタマがやってきた。タマはよっちゃんになついているのである。
父[ネコ寺をだいぶ頑張っているようだね。][8日にこのへんの猫1,600匹が集まって大法要をやるのですが、タマちゃんもたぶん行くと思いますね。]父[そうだね。ネコ寺のボスネコはネコ寺だけでなくこの辺一帯全部が縄張りだから、招集があったら行くだろうな。行かなければ制裁が加えられてとんでもないことになってしまう。]ター坊[猫の世界も生きていくのは大変なんですね。][ネコの世界も厳しいジョー。今日のバナナクレープはおいしいジョー。]父[仏教センターの事務長が仕切っているので、タエちゃん達は任せておけばいいんじゃあないかな。]
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます