第7話
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死んだ職人はネコ寺の増改築や補修に来ていて、猫が大好きでよく遊んでいたらしいけれど死んでしまったんで、いろいろな噂を聞きつけてここからあまり遠くないので猫達がかわるがわる子供とのところに遊びに行っていたらしいよ。
それに恩義を感じていて大人になって親父さんと同じ大工になったんだけれど月に2回は鮮魚を買ってきて猫達にふるまっているらしいよ。タエ[いい話ですね。市の広報にどこかに組み入れるように言っておきます。]
老師[今日は茶まんじゅうだ。食べていきなさい。]役付きも心得ていて、お土産用に多めに持ってきた。
ター坊の猫屋にマレーシアサラワク州の州都クチンのテレビ局が取材に来ていて、人気リポーターが10万円を払ってトラちゃんのネコ占いを受けている。英語も打てるので会話はすべて英語である。
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クチンは猫の町と呼ばれるほど猫に関したものが町中にあふれている。それだけ猫のことに関心が高い町なので猫寺のことを見逃すはずがない。女性リポーターが[私の彼氏はどういう人で結婚は期待できるかな]と核心部分を突いてきた。
茶トラ[名前はレオ。貴方には優しいがもっと好きな人がいて捨てられるとパソコンに印字されると。表情が変わってしまった。この様子をカメラがきちっととらえている。]リポーターはめげずに新しい彼氏は現れるかと尋ねたら、[身近なところにいるので、大丈夫だ。このまま生活を崩さずに日々努力しなさい。]とのお託宣である。
やっと彼女の表情が元に戻ったのと同時にすっかり感心してしまった。レポーター[このトラちゃんに10万を払う価値はあるわ。今の彼氏とスパッと分かれて前を向いていこうと思います。]プロデューサーは会心の笑みを浮かべている。スタッフ一同も同じである。
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プロデューサー[おかげさまで面白い映像が撮れました。まず、猫ちゃんが人間と同じようにキーボードを叩き、しかも文章を作ってしまうというのは驚きです。こんな猫ちゃんは世界中で他にどこにもいませんよ。]
母親[トラちゃんどうもありがとうね。牛乳でも飲んでいきなさい。]ミャー。トラネコは美味そうに牛乳を飲んで帰って行った。
福猫のよっちゃんの母親も様子を見に来た。[お母さん、1件目はマレーシアの放送局でちゃんと10万円を払っていったよ。]
ター坊母[閉店時間の30分前の3:30に清算して福猫さんとお寺さんには決まりのものをお届けいたします。]よっちゃん母[それはどうもすいません。無事に1回目が終了してよかったです。]
タエ[王様のところに報告に行こうか、老師様の所にはネコ寺の和尚さんが知らせると思うので、後でついででいいと思うわ。]
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[そうか。1回目が終了したか。][猫が英語で不通に印字して会話ができるので驚いていました。それにプロデューサーの狙っていた展開になって喜んで帰りましたよ。
マレーシアの人達にはいい感じで伝わると思います。それと明日の落成式の会場点検で事務長がお見えになっていましたけれど、世界中から取材でお見えになるようです。各主要なお土産屋には在庫切れにならないように、タップリ目に配っておきましたので問題はないと思います。]
[これはまだ予想だけれど、落成式の後にボスネコのトラちゃんが面白いことを考えているようだぞ。歩いてこれる範囲の野良猫や飼い猫が全て集まって猫観音の前で法要をするそうだ。願目は子供たちの健やかな成長と全ての猫達の健康と交通安全それに充分な食料にありつけるようにと病気のことだ。たぶんここから15~20分ぐらいの門前町近辺ぐらいからか。四方からだったら800匹ぐらいは集まるんじゃあないかな。]
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タエ[これは落成式以上の案件ですね。毎年の恒例にしたら世界中からのお客さんを呼び込めますよ。][そうだな市長にも話してボランテイアで猫達の通り道を確保してやるようにしようか。もちろん歩道を歩くと思うけど。]
タエ[これはきゃら市の一番のイベントになりますよ。猫観世音菩薩の法要祭り800匹大集合!!、なんてタイトルですかね。][まあ、そんなもんだけれど800匹でミャンミャンやったら凄い迫力だろうな。][明日香テレビできちっと収録して、音を逃さないようにしなければならないですね。]
すず[チーフが肉まんを2個ずつどうぞということです。1個食べて1個持ち帰りかな。お菓子の詰め合わせ用の袋を用意したので持ち帰ってください。][これはいいジョー。ここのおまんじゅうは大きくて、1個でもお腹がいっぱいになるんだジョー。][明日の落成式にはおヨシちゃんの所の猫も和尚さんとボスネコに許可を取って里帰りで、一緒に法要に出るそうです。]
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