背く者どもまつろわぬ人

 波乱万丈にして沈思黙考。快刀乱麻にして複雑怪奇。

 矛盾した要素をまといつつも、その根幹をなすのは……愛。ではない。ノロケ。ノロケだ。ノロケ倒しているのだ。主人公がひたすらノロケを重ね、それに他の一同が巻き寿司のようにぐるぐると重なっていくのだ。ちなみに私はサダヨ氏が一番気に入った。

 大別して二つの殺し屋グループが、陰に陽に支配するようになった地球。熱き拳を持つノロケ、ではない主人公がハードボイルドに殺し屋達を倒していく。全編これフルアクションの戦闘談でもあるが、一人一人の力がきちんと把握できるように演出されており豪快に楽しめる。

 そして、二つに割れた月がこの世界の理を回復させる重要な素材になるらしい。異能や超常は、もっと大きな背景のための生け贄なのだろうか!?

 必読本作。

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