生霊が見える少女に襲いかかる黒い悪意。完成度の高いホラー長編。
- ★★★ Excellent!!!
主人公は高校生の少女、立花藍。
幼いころから彼女は何度か人の後ろに黒い霧のような霊が見えることがありました。
それは取り付かれている本人と同じ顔をしている「生霊」であり、その人間は必ず遠からず死んでしまうのです。
そしてある日、彼女は同級生の三上崇之にも生霊が憑いていることに気が付き、何かできることはないかと行動するのですが……。
リアルな心理描写で平和な日常に忍び寄って来る不穏な展開が描かれています。
そして途中で主人公以外の視点が描かれることで別の事実が明かされる構成は物語に漂う恐怖感をさらに盛り上げていき、最後の最後まで読み手をゾクリとさせてくれます。
ショッキングな描写もありますが、ホラーが好きな方にはぜひお薦めの作品です。