見えない歪んだ悪意の煙

激しい嫉妬や怨念など屈折した心を持つ者に宿る"生霊"を見ることができる少女・藍。彼女はこれまでの人生の中で何人か、生霊のついた人間に出会ってきた。高校生になった彼女は、同級生の男子・三上に生霊がついていることを知る。

これまでの経験から生霊のついた人間には何らかの暗い感情があることを藍は知っていた。その心の闇の化身とも言える生霊が意識せずとも見えてしまう藍は、果たしてそれにどう立ち向かうのか......。


自分の目には映らない、そして多くの場合覗くこうとすることさえ許されない隣人の心の闇が、次の瞬間には自分に向かないという確かな保証はいつもないことの恐怖は物語の最後の最後まで続き、衝撃的なラストへと読者を導く!

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