妖怪や幽霊が観える特殊な体質の主人公、タケル。
彼は幸村家にひきとられて生活しています。
ところで、この幸村家には同年代の少女でこの家の娘のサチがいます。普通の女の子なら、妖怪や幽霊が観えるタケルを恐れそうなもの。ですが、サチはちがいました。
彼女は妖怪相手でも怯えたりしないのです。
妖怪や幽霊が観えることをネガティブに捉えがちだったタケルは、何事にも臆さず元気いっぱいのサチとすごすうち、考えを変えていって――
幽霊や妖怪が登場する怪異譚です。
怪異がらみの不思議な事件が起こるところが、この物語の魅力。ただ、幽霊や妖怪がらみなんて、なんだか怖そうですよね。
ですが、ご安心ください。
推理小説みたいなドキドキ感のほうが強いので、怖がりの方でも安心して読める内容です。
怪異がらみの色々な出来事を経験するなかで主人公のタケルは友情をはぐくみ、心の成長を遂げます。
怪異譚だけど、とってもハートフルなお話でした☆
妖怪が見える特技を活かして、はちゃめちゃ女子と一緒に怪しい事件に挑みます!
主人公タケルは人には見えない妖怪が見える。それにより、今まで親戚の家に転々としたり、学校で虐められたりする日々だった。
けれども、幸村家に引き取られ、サチと出会ったタケルの運命は良い方向へ――それどころか、唯我独尊天上天下を貫くサチに巻き込まれるように⁉︎
この作品は、人と違うという事を強く語られているように思う。
人と違うものが見える。
人と見た目が違う。
人と違った言動をしてしまう。
ひとは、自分と違うものを排除したがる傾向にある。
みんなと違う。そうやって輪から外して、他者の心を踏み躙って殺していく。
しかし、違うというのは見方を変えれば個性なのだ。
ほんのちょっと見方を変えるだけ。そんな事をお話の中で教えてくれます。サチは乱暴で粗雑で口は悪いけれども、決して心に感じた事を偽らない素敵な女の子。そして勇気がある。
タケルの個性も、個性による影響もパワフルなサチによって台風のように巻き込んで事件に挑んでいく。
頼りがいのある二人のお話、是非是非オススメです!
作中、サチちゃんというちょっと、いや、かなり変わった女の子が出てくるのですが、まあすごい!
けれど、魅力たっぷり。読み進めていけば「いいぞ、サチちゃんもっといけー!」と応援したくなるほど。
そんなサチちゃんに振り回されているのが、タケルくん。
タケルくんは幽霊か妖怪が見える不思議な力を持つ男の子です。そのせいでうまくいかないこともあったりしたのですが……。
さて、そんな二人ですが、とある呪いの事件に立ち向かいます。
そこでもサチちゃんはサチちゃんらしい行動を取り、タケルくんは振り回されるのですが、これが本当に面白い。
二人は無事解決できるのか?
皆様もぜひ、読んでみてください。
親戚の家をたらい回しにされた少年、タケル。
彼は幽霊や妖怪を視ることができる不思議な力を持っているのですが、そのせいで周りと上手くいかないこともしばしば。
そんなタケルくんが今いるのは、親戚の幸村家。
今まで不遇な扱いを受けることもあったタケルですけど、幸村家は居心地がよく、安心して過ごせる。
ただ幸村家には1人、とってもぶっ飛んだ女の子、サチちゃんがいたのです!
サチちゃんは、タケルくんが妖怪を視えるからといって、気味悪がったりしません。
それどころかサチちゃん自身が不気味な容姿の妖怪を視たとしても、軽~く挨拶をしたり。
米俵を担いで田の神様のために躍りを捧げたりする、ちょ~~~~っと変わった子。
なんかこう書くと、クレイジーな女の子って印象を与えてしまいそうですけど、ぶっ飛んでいるものの案外真っ直ぐでいい子なのです。
そんなサチちゃんとタケルくんが、町を騒がせる呪い事件に挑む!
このはっちゃけバディが、実に面白い!
サチちゃんのはっちゃけた言動に、タケルくんのツッコミが止まりません!
角川つばさ文庫小説賞参加作品ですが、ぜひ受賞してシリーズ化してほしいです!
訳あって、様々な家に引き取られ、転々とした生活を送っていたタケル。
その理由のひとつが、妖怪が見えるという彼の特性によるものでした。
妖怪の存在を信じるかどうかはともかく、変なものが、怖いものがいると言って騒ぐ彼を周囲は持て余し、その結果、見えるというのを隠すようになったタケル。
ですが色々あって、今いる家にタケルが来たことで、この家の中では妖怪が実体化することに。しかも、この家に住む女の子サチに、妖怪を見られてしまいます。
こんな迷惑をかけてしまうなんて、もうここにはいられないのではないかと不安になるタケルですが、サチはそんなタケルも、妖怪という存在も受け入れます。
……なんて、ここまで間違ったことは書いてないのですが、おそらくこれだけでは、大事なことがまだ伝わってないでしょう。
それは、サチのクレイジーっぷり!
タケルが来たことで妖怪初体験となった彼女ですが、それを見て「わあ怖い。助けてー」なんてヌルい反応は一切しません。
柿の妖怪が自分を食べてと言ったら躊躇なく食べ、髪の伸びる人形に襲われたら髪をつかんでぶん回し、天狗と出会えば気に入られて怪力をプレゼントされる。
はい。いったん落ち着きましょうか。この子、クレイジーすぎじゃないですか?
妖怪が見えるというタケルの特異性に注目するお話かと思いきや、もっとすごいのがいるんだけど!?
そんなサチのおかげ(?)で色々気負わずにすみ、時に暴走しがちなサチのブレーキとなるタケルですが、そんな二人がふとしたことから知った、この地に災いが起きるという、不吉なお告げ。
調べることにした二人ですが、調べる対象が怪異絡み。調べるのが心底クレイジーな子では、普通の調査で収まるはずもありません。
サチはどのように暴れるのか。そして、タケルはどんな苦労を背負い込むのか。
凸凹コンビは、果たして真相にたどり着けるのでしょうか?