ご家庭の味、ご当地の味、ソウルフードというのはおそらく誰にでもあり何かしらのエピソードがあるものだろう。 だからこそ忘れがたい。 そんなカップ即席麺の、東西の味に言及しているのも、心憎い内容だ。 いい話と悪い話からの二段オチからくるラストに、出来たての蓋を開けたような、ほっこりとした匂いと充分にしみた幸せを味わわせてもらえる。 例えばそう、東京編とお土産編と現代編の、3部構成のドラマ風CMを見たような読後感だった。
「赤いきつね」「緑のたぬき」幸せしみるショートストーリーコンテストは、本作品のためにあると言っても過言ではないと思います。このようなテーマが指定されている企業コンテストだと、どうしてもわざとらしいストーリー展開や、商品が不自然に入り込む作品になりがちですが、本作は一本の現代ドラマとして成り立たせながら、「赤いきつね」の商品特性を作中で巧みに語らせており、ウェブCMの原作としても使えそうなクオリティになっています。本コンテストで賞を狙おうとしてる人は、一読をおすすめします。赤いきつね物語賞、とりそうです。
東京に憧れる主人公。夏休で念願の東京へ行くことが決まった。お土産を買うことになり……。「赤いきつね」のことを詳しく使っててさすがでした。タイトルの意味も面白いです。
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