悲劇から生まれ変わるおとぎ話

人魚のエレオノーラは王子様に恋をしていました。
王子とその護衛であるギルバートと交流していく中で、恋と陸上への憧れを募らせていきます。
そして彼らを助ける為に人間の姿になったエレオノーラは、代償として期限以内に愛する人と結ばれなければ泡となってしまう契約を帯びてしまいました。
初めての人間の世界に可愛い反応をして、新鮮な日々を送るエレオノーラ。
しかし徐々に憧れだけではない現実を知り、辛い出来事を経験します。恋愛の醜さや痛み、生々しい人間の姿が描かれています。

自分より相手の幸せを優先する気持ちからくるすれ違いは切なくもどかしく、感情移入して二人を応援したくなります。
そして終盤の驚きの展開から、更なる仕掛けはカタルシスをもたらしてくれました。

美しい海と愛情、甘く優しいハッピーエンドが待っています。

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