宝箱につまった君への思い

ミミックに転生した主人公ヒムロ。宝箱そのままではろくに動けず、ダンジョンの奥で孤独に悪戦苦闘していました。
そんな彼のメッセージを受け取ったのが冒険者のヒナさん。
彼女へ好感を持ち、ヒムロもまた冒険者として共にいる事を望みます。
ミミックらしいコミカルな動きやテンポの良いやりとりが面白く、賑やかな仲間達も増えて楽しく読み進められました。

しかし物語は軽い訳でなくシリアスな要素も含みます。
人が誰しも持つ無意識の悪意を突きつけられるような、自分の言動を振り返って考えたくなるような、現代に通じる問題とも向き合います。
特にヒナさんの秘密、過去は重く、それを知ったヒムロの行動も見所です。

人それぞれの人生、他人に指図されるものではありません。
難しくても自分で思い悩み、大切な答えを見つける事が人の生き様なのでしょうか。

珍しい形の、しかし普遍的な恋愛模様を読んでみませんか。

その他のおすすめレビュー

右中桂示さんの他のおすすめレビュー1,325