生贄と神は、手を取り合って夫婦へ
- ★★★ Excellent!!!
両親を亡くした盲目の少女、椿。
叔母夫婦によって売られ、とある村の神の生贄となってしまいます。
閉ざされた蔵の中、出会った者の名前は朧。暗闇で椿は朧と触れ合い、言葉を交わし、絶望を受け入れていた心は希望を持つようになりました。
朧の力によって光を得た椿の心情。暗闇での感覚の限られた交流。
二人に愛が芽生える過程が丁寧に描かれていて応援したくなります。開放された世界の温かさと美しさは息を呑む程でした。
またホラー描写も秀逸で恐怖をかき立てます。
寄り添う二人、そして叔母夫婦や村の行く末を見届けてみてはどうでしょうか。