2021,11.02
レンガ造りの家々が立ち並び、通路の端や家の軒先には飾り彫りのされたカボチャが立ち並ぶ。そんなカボチャと共に飾られるのは笑顔の
そんな町に流れるのは静な
退屈そうにぶらぶらと、足を揺らして夜を待つ。
誰も知らない不思議な子、
「今宵は誰を呼ぶのかしら?
誰に繋がるのかしら?
楽しみで仕方がないのだわ!」
太陽が地平の果てに沈むのを、愉しそうに
そして何時しか太陽は地平に沈み、
家々に灯りが灯り、
「踊りましょう、歌いましょう!
まだ見ぬ誰か、私達と遊びましょう!!」
虚空に残る煌めきが、五芒星を描く時。
過去と未来、有り得た世界に消えた世界、
そうして繋いだ世界から、呼び出されたのは1人の女性。長い銀髪は上質な絹糸みたいで、その整った顔立ちは人形と言われても信じてしまいそう。衣服も相まって、上質な
「こんばんわ、お姉さん!」
「こんばんわ、可愛い子供達」
「……お姉さん、私達のことがわかるの?!」
「勿論ですよ、感謝祭の夜にだけ顕れる不思議で愛らしい
「凄いわ、凄いのだわ!
お姉さん、貴女のお名前を教えてくださいな!」
「私はリブラと申します。
愛らしい
「
「
そういって微笑むと、
「ねぇ、リブラお姉さん?」
「なんでしょうか」
「お姉さんは
「構いません、何をして遊びたいのですか?」
「私、貴女と踊りたいわ!」
「お姉さんは、踊ってくださらないの……?」
「──いいえ」
パチリと指を鳴らした途端、四体の
「可愛らしいお人形さんなのだわ!
彼女達は、リブラお姉さんのお友達?」
「はい。とっても大事なお友達です」
その姿を見た
「さぁ、
「まぁ、それはとっても素敵なのだわ!」
流れるレコードの旋律に合わせ、二人と四体の洋風人形は踊ります。彼女は
そしてもう一つ。流れる曲が変わる度、人形達の衣装も変化していたのだ。
その度に
まるで魔法に魅せられる子供のように、笑顔が絶えることはなかったのだ。明るく楽しい夢の時間、それが何時までも続けば良いと
だからこそ、
……────そして終わりがやって来た。
楽しい夢の終わりは無情にも訪れる。
万物に永遠はなく、必ず終わりがあるものだ。終わるからこそ次がある。寂しい終わりがあるから、明るく楽しい始まりが訪れる。
だから寂しくない、涙は絶対流さない。
「とっても楽しかったのだわ!
お姉さんは魔法使いさんだったのね!
愉しい夢をありがとう。
いつかまた、楽しい夢を踊りましょう!」
「さようなら
また会えることを楽しみにしていますよ」
hello.ジャック メイルストロム @siranui999
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