この戦隊、恋愛は厳禁

戦隊ヒーロー「幻獣戦団アニマライザー」の一員となり、悪の怪人と戦うことになった普通の女子高生、咲良。

本作品を語る上で欠かせないのが、永遠のヒーロー番組、スーパー戦隊シリーズ。何人もの色とりどりの戦士がチームとして戦っていくアレです。本作は、まさにその系譜に連なる、と言うか、非公式なれどスーパー戦隊そのものと言っても過言ではないかもしれません。
それくらい、戦隊ってこうだよねと思うような愛の溢れるネタや設定が散りばめられています。

よく知らない方は、戦隊シリーズって数はあってもどれも同じじゃないかなんて思われるかもしれません。が、全然違います。個性豊かな仲間が協力して悪と戦うときうフォーマットこそ全てに共通していますが、各作品毎の大きな特徴、アピールポイントが存在しているのです。

ならば本作のアピールポイントはどこか。それはタイトルにもあるように、レッドとの恋。

アニマライザーのピンクとなった咲良ですが、普通の女子高生がいきなり戦えと言われても無理な話。そんな彼女を熱血指導するのが、リーダーにして十年以上も戦い続けている三十路のおっさんであるレッド。
当初は、その年齢差によるギャップに、暑苦しいくらいの熱血、それに自らに課せられた使命の過酷さもあって反発する咲良ですが、その揺るぎない正義の心と不器用ながらも気遣う姿に、少しずつ惹かれていくことに。

しかししかし、ここで即恋愛とはならないのです。
戦隊ヒーローは子供も見るものだから、その辺の描写は控えめに、なんて理由ではありません。過去には恋愛を全面に押し出した戦隊もありましたからね。
むしろこの、恋愛とはならない理由。子供達が見る本家では、決してできないだろうなというもの。なんとアニマライザーでいるためには、純潔を守り続けなければならないのです。
これは、恋愛できない。そして、子供には説明できない。

ですがだからこそ、世の中に戦隊ヒーローは数あれど、こんな戦隊模様が見られるのはアニマライザーだけなのです。
新米戦士の咲良は、戦いに、恋に、自らの運命に、どう向き合っていくのでしょうか。

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