第11話 冬の別れ

「冬の別れ」


冬の別れを知ったのは

まだ十代のころだっだ

雪の中で手を振ったこと

ただ寂しいとしか思わなかった


冬の別れに会ったのは

もう二十を過ぎていた

雪の日に「さよなら」を聞いたこと

ただ悲しいとしか思えなかった


それから何度目かの冬の夜に

母が逝ってしまったこと

父も妹も黙り込むだけで

真夜中の雪が舞い始めていた


冬の別れを知ったのは

はじめてあなたを失ったこと

もう会えないとわかっていても

また会いたいとしか思えなかった

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あなたと歩いた冬景色 詩川貴彦 @zougekaigan

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