介護はWIN-WINでなければいけないと思う

とてもポップな語り口で、現在日本が直面している問題をわかりやすくとりあげた素敵な作品でした。

おばあちゃんが寝たきりになり、しかもボケてきて色んなことが分からなくなる。その介護をする家族は大変ですよね。でも「家族だから」という理由でそこは意外と割り切れるものです。

でも外に出す(施設に預ける)ことになると、そうはいかない。家族はこれで負担が減って肩の荷が下りますが、その苦労が全て施設で働く職員さんにのしかかることとなります。

考えてください。家であれだけ苦労していたことを、施設がまるまる受け入れるのです。施設だから、介護職員だから、苦労がなくなったり平気だったりすることなんて全くありません。

大事なのは施設入居後も、施設と一丸となり介護(おばあちゃんの心のケア)を続けること。
週に一度は会いに行って、おばあちゃんのさみしさやストレスを和らげてあげてほしいと思います。そうでないと「必ず」おばあちゃんは精神状態が不穏になり、「帰る、帰る」と言って職員を困らせます。施設によっては医者が常駐していないので、何かあって医者のお世話にならなければいけないときは、嫌がらずに家族が「通院」させなければいけません。施設の職員数はどこもギリギリ状態なので通院にとられる人手がいないからです。

服装にも気を付けてほしいところです。そもそも「毎日着替えさせる」なんて日本以外ではしていない介護。一部の理想主義者が提唱した理論から、それが定着している感がありますが、寝たきりや、自分で着替えられないほどアルツハイマーが進行している人にとっては、たかが着替えといえども体の負担にしかなりません。さらに言えば職員にとっても負担にしかならない作業です。服装はボタンのない、着替えさせやすい緩めの(ジャージなど)ものが好ましく、「毎日着替えさせなくても大丈夫です」と、入居時に口添えしてほしいものです。二日に一度は入浴するのでそのときの更衣変更で十分だと考えます。

介護する側は誠意をもった対応でお世話するのが基本です。なので介護される側(の家族)は、バトンタッチしたあとも、今までの苦労を忘れず、手助けを心がけてほしいものです。毎日ヘトヘトになっていた作業が、週に一回の面会になるのです、へっちゃらですよね(^^

最後に一言
介護福祉士・看護師・医者 などは万能機械ではありません。
「任せておけば間違いはないから大丈夫だ」との思い込みは絶対にしないでください。

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