自分達を愛情深く育んでくれた人の最後を、どう過ごさせてあげられるのか。

高齢になり、脳の機能も体の機能も衰えてくる家族の現実を前にした時、私たちは何を考え、どう向き合うのか。ライトでコミカルな語り口の中に、重く鋭い問いかけが濃縮された作品です。
年老いた家族への愛情と、次第に分別のつかなくなるその人の生活を支えなければならない辛さ、やりきれなさ。家族内では支えきれなくなった高齢者を施設に預けてしまうことの葛藤。話数が進むに連れて様々な感情が絡み合い、言葉にし難い苦い痛みが読み手の胸にも迫ります。
高齢者介護にまつわる問題は、一層の長寿化が進むからこその社会問題であり、深い悲しみや虚しさの伴う厳しい問題なのだと改めて痛感します。長く生きること、老いることの難しさを改めて考えさせられる作品です。

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