このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(320文字)
何がどう怖い、という具体的なレビューにならない。言葉には表現し難い恐ろしさを孕む作品です。ガラスの部屋。透明に眩しく、物理的には闇を宿すような舞台ではありません。なのに、そこは明るく透明なまま言いようもなく忌まわしい場所になる。その奇妙な明るさが、一層の不気味さを煽るのです。わかりやすい恐怖系描写の全くないまま、独特な情景描写で不穏や闇を醸し出す作者様の感性。いや、怖い……是非多くの方に味わっていただきたいホラー作品です。
透明な檻に閉じ込められたようで、こちらまで息苦しくなる決して答えなどはないのでしょうが短編ながら、さまざまなメタファーが組み込まれていて読み解く楽しさがありますね思わず「こわっ」と声に出してしまう不気味さもあって、たまりませんでした!