生者は、時を刻む。

何もかも失った白雪姫は、少年に拾われた。
――生きている人間が苦手な少年に。

「うあああぁぁぁ! こここ、こやつっ、生者ではないかあぁぁぁぁ!!」

そこは、死霊術師《ネクロマンサー》・デュレインの住む屋敷。
薄幸の王女スノウリアを救ったのは、森に住む小人--ではなく、彼に従う生屍。
死体である彼らのために冷気に包まれたそこは、あたたかな関係で満ちていた。

けれど生屍たちは、何かしら思惑があって自分を匿ったのだとスノウリアは気づく。


人は間違え失い、されど生者は間違えを取り戻しながら時を刻む。
生きるとは選択することであり、選ばなかった寂しさを背負うことである。
少しずつ針が動き始める時、二人は何を手放し、何を得るのか。

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