巧みな文章と構成で綴られる、しょっぱいアップルパイと呪いのお話
- ★★★ Excellent!!!
主人公の弥代は、アップルパイが美味しかったからという理由で、パートナーの景と結ばれた。それ以降、彼からアップルパイを食べたいと言われなかった弥代だが、ある時ついにアップルパイを望まれてしまう。しかし、弥代はアップルパイが嫌いだった。彼女が景にあげたのは、自分が作ったものではなかったから――。
と、アップルパイが嫌いなのに、愛する人のために作らざるを得なくなってしまった弥代。今度は自分で作ったものをあげたいと頑張る彼女が微笑ましく、けれど不安も伝わってきます。
そんな弥代には、とある呪いがかけられているのですが、果たして一体どんな呪いなのか、弥代やアップルパイとどういう関係があるのか。それは、ラストシーンの余韻に浸りつつ、ご自身の目で確かめてみてください。