こんなにも愛に満ちた、優しく儚い呪いを私は知らない——

アップルパイに呪われて——。
このタイトルから、こんなに優しい物語を想像することができただろうか。

嫌な思い出と良い思い出、二つが同時に重なり合った結果、アップルパイが一番嫌いだと冒頭から言い切る主人公。
そこに「アップルパイが食べたいな」と思わぬリクエストが……。

過去と現在、彼女にかけられた呪いと解かれる呪いとは。
最後の幕引きまで素晴らしい、知りたいような知りたくないような。
不思議な読後感は少しだけ塩の味が強い、このアップルパイのよう。

その塩味は果たして本当に呪いだったのか——。

アナタも読めば、きっとこの物語が忘れられなくなるはず。

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