静かにこころに響く

この作品を読む中で自分の心に何が起こったのか、それを説明するのは難しいです。
はじめは、磯辺の語りを読みながらマリーさん曰く「こんな仕事」に集まる人たちの話なのだろうかと感じておりました。そういう場所の雰囲気は、聞いたことがありましたのでそれなりの興味を持ちましたが、Rの登場から気分がすっかり変わってしまいました。一気に引き込まれたのです。
その後の展開で、いったいこの作品はどこに向かうのだろうかと興味が高まっていき、地名が出てきた瞬間にいろいろなものが頭の中で結びつき、物語が見えた気分になりました。実際、それほど外れておりませんでした。しかし、それ故に思うことが一気に膨らみました。
読了後のこの気分を表現する言葉を持ちませんが、少なくとも静かに(そして少し重く)こころに響く作品でした。

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